アイザックス症候群
Isaacs Syndrome
って どんな病気?
●持続性の手足や体幹の筋けいれん(筋肉のつり)
●ミオキミア(波打つ様な筋の動き)を特徴とする
●ニューロミオトニア
(手指や足趾の開排制限。グーを握った後になかなかパーが出来ない)を伴う。
そのほかに、著明な発汗、手足の焼け付く様な痛みや異常感覚を伴うこともあります。
1961年、Isaacsにより末梢神経の異常が原因で持続的に筋の収縮や、筋の異常な運動が起こる症例が報告されました。
その後1991年にこの病気が末梢神経に対する自己抗体によることが明らかとなり、原因不明の免疫介在性神経疾患として知られるようになりました。
神経の興奮性を鎮めるのに重要な電位依存性K+チャネルが、自己抗体(抗VGKC複合抗体)により障害され、
筋肉のけいれん・硬直や痛みが生じる疾患 (原因は不明)
運動症状 : 筋痙攣・筋硬直(運動負荷・虚血・寒冷で増強)、筋肥大、筋のピクつき
感覚症状 : 異常感覚・疼痛
自立神経症状 : 発汗過多、皮膚の色調、高体温
症状と筋肉の動きを見る筋電図検査で、特有のミオキミア放電があれば診断ができます。
更に抗VGKC複合抗体が陽性なら確定です。
対症療法として末梢神経の興奮性を抑える抗てんかん薬(テグレトール、アレビアチン、ガバペンなど)が用いられます。
重症になると、抗体を除去する血液浄化療法や、抗体の産生を抑えるステロイド療法が必要になります。
ただ、原因が不明のため自然寛解以外は今のところ完全に治癒させる治療はなく、リハビリテーションなども重要です。
●抗てんかん薬
(末梢神経の興奮をブロック)
テグレトール・アレビアチン・ガバペン
●抗弛緩薬
ミオナール・テルネリンなど
●鎮痛薬
リリカ・メキシチールなど
●抗うつ薬
痛みへの脳の過敏性を落とす
●単純血漿交換療法
血漿を全て廃棄し、代わりにアルブミンを補充する方法
●二重濾過血漿交換療法
分離された血漿を血漿成分分離器を用いて病因物質等を
分離・除去し、アルブミン等は戻す方法
●免疫吸着療法
血漿中の原因物質のみを吸着させて除去する方法
※血液浄化療法に関して、詳しくは会報6号(P7~8)をご参照ください。